能が演劇として確立されたのはそれまでの中国から伝わったとされる散楽や日本古来の田楽などが融合して、南北朝から室町初期(14世紀末頃〜15世紀初頭)にかけて猿楽として認識されたことによります。その後足利義満に見出された観阿弥・世阿弥親子によって歌舞劇として確立されたと言われています。その頃より公家や武家のいわゆる貴人を対象とする芸能として発展し、江戸時代には武家の式楽として幕藩体制に組み込まれ、能役者は士分としての扱いを受けることとなります。その頃に現在の五流となり、シテ方・ワキ方・囃子方・狂言方と、分業制となりました。現在演能されている形式も江戸中期頃には、ほぼ完成されました。
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